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「上様。御台様のお越しにございます」
座敷の入口に控えていた小姓が、平伏の姿勢で告げてきた。
「お濃が?」
と信長がくや否や、品々でごった返す座敷の中へ、慌ただしく濃姫が入って来た。
「失礼致しまする! 上様、のお話しが──」
「控えよッ!」
濃姫が姿を現すなり、信長はキッとが妻を睨み付けた。
「御台ともあろう者が廊下で声を張り上げるとは何事じゃ! 立場をえぬか」
夫から叱責を受け、濃姫は慌てて座敷の入口に膝を折ると
「…これは、ご無礼を致しました──。されど、どうしても上様に、お伺いしたき儀がありましたもので」
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「後には出来ませぬ! 今すぐにお伺いしたき、上様に関わるなのでございます!」
床の上に素早く両の手をつかえ、上段の夫に強い眼光を向けた。
茶道具を検めていた信長の双眼が静かに持ち上がり、濃姫をそうに見据える。
「儂に関わる大事とは何じゃ?」
「畏れながら、この場に居たままでは申し上げられませぬ」
「ならばう参れ」
「はい…」
濃姫は一礼すると、齋の局と共に、座敷に並べられた品々の間を縫うように歩いてゆき、上段に座す信長のらに控えた。
「畏れながらおね致します。此度のご出陣、備中へかれる途上で、
都に立ち寄られるというのは、まことにございましょうか? 聞けば、二、三日はご滞在のご予定とか」
どこか厳しい顔付きで訊ねる濃姫に
「火急と申す故、何のことかと思えば──ああ、まことの話じゃ」
信長はにべもなく答えた。
「京にて茶会をすことに致したのだ、多くの公家衆を集めてのう。これを見れば分かるであろう」
そう言って、目の前に広がる茶道具の数々を手で示した。
「ちょうど今、その茶会で披露する名器を選んでおったところよ」
「茶会…。ご出陣を控えておられるのに、何故にわざわざ茶会など」
「ただ茶会を催すだけに京に滞在する訳ではない。 儂が朝廷から、任官を求められている旨は知っておるな?」
「はい。関白などの重職にお就き下さいませと、武家より上様に申し入れがあった件にございますね」
先の天正六年(1578)に右大臣(兼右近衛大将)を辞任してより、官職に就いていなかった信長のもとへ、
武家伝奏・を通して、関白か大将軍のいずれかの官職に就くよう、朝廷から※打診があったのである。
「答えを先延ばしにしておったが、公家衆も集まること故、正式にその返答をしようと思うてな」
「それでしたら、何も今でなくとも」
「無論それだけの為ではない。此度の茶会はひとえに、先々へのえじゃ」
「…備えと申されますと?」
「茶会には、博多の豪商・を招いておる。 全国平定も目前とは申せ、儂の日の本での戦は、
まだ終わった訳ではない。中国には毛利、四国にはと、蹴散らすべき敵は多くいる。
──お濃。そんな者共と戦う為には、知恵や武力、の他に、何が必要であると思う?」
(※…信長からの申し出であったとする説もある。三職推任問題)
「…普通に考えるのであれば、鉄砲や火薬など、戦を行うのに必要な物資にございましょうか?」
信長は「うむ」と頷いた。
「やり手の豪商と名にし